ダウンドッグから戦士のポーズに移行する時に脚が持ち上がらない!2つの解決法

ダウンドッグから片足を前に移動する時に、足(脚)が持ち上がらないといったお悩みをよく耳にします。筋力の問題ではなく、身体の使い方に原因があるのかもしれません。
下腹の筋肉、腸腰筋の筋力の問題ではない
足(脚)を前に動かすことに集中してしまい、身体がガチガチに固まってます。特に手のひらの位置を固定していると、腕(鎖骨、肩甲骨)の位置も動かないので、身体が前に移動するのを腕で食い止めている状態になっています。
たとえば歩くとき、片足ずつ前に運びますが、足(脚)が前に動いたとき、上半身も前に移動しなければ、後ろの足(脚)は前に動きません。
ダウンドッグでこなきじじいを背負っている!
ダウンドッグのときに、こなきじじいが背中に乗っかって上から押さえつけている!そこから、足(脚)を動かそうとしていることを想像してみてください!オ、オモイ!

腕と足(脚)だけで身体をコントロールしようとしている人は、背負っていますよw。
解決法① こなきじじいを背中から振り落とす
腕で固定しているのは、こなきじじいを背負ってダウンドッグをやっているのと同じくらい、上半身がずっしり重く固まっている状態です。
まずはダウンドッグで腕の固定を外して、上半身、軸骨格(頭〜脊椎)がリードして、身体を前後に揺らしてみましょう。(このとき、手の指を大きく開くのもやめてみます)
解決法② 右足前に移動するなら、右手を床から外してみる
頭からお尻までがブランコみたいに前後に揺れると、前に揺れたとき、胴体に繋がっている、腕(鎖骨、肩甲骨)も一緒に前に動いています。全身が重心移動することを体験しましょう。
右足を前に運ぶときに、右手をマットから浮かせてみるのも、重心移動の感覚をつかむのに、いい練習になりますよ。
身体が重いと感じたら、こなきじじいを思い出してみる
ダウンドッグから、片足を前に踏み込む動作で、足(脚)が動かない、重いと思ったら、それは足(脚)だけの動きではなく、全身の重心移動だということを思い出しましょう。
頭〜脊椎がリードして身体が動けば、身体に付いている腕と足(脚)も自動的に一緒に動きます。身体が前方に動けば、腕と足(脚)も前方に移動するは自然なことなのです。
それなのに、足(脚)が動かないのは、身体が前に動くのを腕で止めて、背中も力任せに固めて、足(脚)だけを前に動かそうとしているから。
さらに、あし、あし、動け!と足(脚)に意識が集中してしまうことは、力みとなり股関節の動きも妨げます。
たとえば前にあるカップを取ろうとしたとき、身体の位置を動かさず腕だけを伸ばすこともできますが、頭からおじぎをするように上体が前に傾けば、股関節が屈曲して、前に傾いた上体に付いている腕は自然に前に移動しますよね。
どちらの動きを選ぶこともできるというわけです。
ただ、上体が前に傾いた方が腕にかかる負担は少ないですよ。軸骨格が動けば、手も足も勝手についてくるという当たり前だけど気づいていないこと、そこに気づくことが大切なのです。
使いやすい筋肉で動く=正しい身体の使い方ではない
身体全体の連動を意識すると、身体にかかる負担は大幅に減ります。私たちは、特に日常生活では、無意識に身体を動かしています。
長年の習慣や癖に基づいた身体の使い方で日々を過ごしているため、疑問に思う事自体少ないはずです。ヨガの練習でも日常生活で染み付いた使いやすい筋肉だけに負担をかけてしまっている事も少なくありません。
ヨガマットの上で正しい身体の使い方を学び、日常に活かす
全体を俯瞰しましょうと、ヨガでもよく言われますが、機能的に動くためには、全身の動きを俯瞰することが大切です。
頭〜脊椎の動きがあり、胸郭(肋骨)や骨盤の立体感があり、胸郭から腕への繋がり、骨盤から脚(足)への繋がり、その全身がいつでも連動して動き、バランスを取っていることをイメージしてみてください。

2019年にアレクサンダー・テクニークと解剖学から「動きやすさの法則」を体系化した新しいヨガとして、YOGA BASE LABを仲間と共に発足。都内スタジオでヨガを教えるほか、自ら教室も主宰しています。
「ヨガ指導者養成講座を卒業したけれど、身体の使い方これであってる?」とお悩みのヨガインストラクターが今日のレッスンで実践的に使えるヨガの動きと解剖学の知識(解動学入門)をお伝えしています。
動きのしくみがわかる解動学入門(ハタヨガ)
毎月 第3土曜日11:00 – 12:15
2021年2月の予定
2021年2月19日
【対象】
ヨガ経験者、ヨガインストラクター、身体の動きの仕組みや解剖学に興味のある方